原子炉の損傷という最悪の事態を切り抜けるため、福島第1原発1号機の復旧チームがえらんだ対策は、弁を開けて内部の圧力を逃がすことと、海水で炉心を冷やすことだった。

「燃料棒を冠水(先端まで水に浸す)させることが重要。海水でもいいので水位を回復させる取り組みを検討している」。経済産業省原子力安全・保安院の担当者は語った。

通常、炉心の冷却に使う純水の代わりに海水を入れることは、金属製の原子炉をさびやすくするだけでなく、炉内に不純物が混入する可能性もあるため、事実上「廃炉」を意味する。報道陣からは「なぜもっと早く海水利用の決断をしなかったのか」との質問が飛んだ。

原子力安全基盤機構の小林正英・技術情報統括室基準制度グループ長によると、同原発で炉心を冷やすには、蒸気を熱交換器で水に変え、炉心に戻す「アイソレーション・コンデンサー」という装置を使用。この方法は水位を変えずに熱を抑えられる利点があるが、今回はこれを超える速度で水位が低下した。

苦肉の策として考案したのが「二刀流」の方式。格納容器の外で、普段は「炉心スプレー系」と呼ばれる緊急炉心冷却装置(ECCS)に消防車のポンプをつなぎ、注水する方法と併用する。熱を持った燃料棒にシャワーのように散水できるため、より高い冷却効果が期待できるという。

一方、弁の開放は通常の2倍まで高まった格納容器内の圧力を下げるための策だ。

圧力が上がりすぎると、最悪の場合、格納容器が破裂する恐れがある。東電は手順書に従って12日朝、弁を通じて蒸気を建屋外に放出する方針を決めたが、実行までには時間がかかった。

同日午前、作業着手。二つの弁のうち一つは開けられたが、もう一つは格納容器に近かったため、放射能レベルが高くて作業員が近寄ると被ばくの恐れがあった。近寄らずに操作できる方法を探すなど難航の末、圧力が下がり始めたのは同日午後3時ごろだった。


この後、20時30分から今回の件についてバカ管が会見します。